演奏は姿勢ではなく動作で変わる|良い姿勢を意識するほど演奏が苦しくなる理由


「もっと背筋を伸ばして。」

「肩の力を抜いて。」

「姿勢を良くして弾こう。」

 

演奏を習っていると、このような言葉をかけられることがあります。

 

どれも間違いではありません。

実際に、美しい演奏をする人は姿勢もきれいに見えます。

 

だから私たちは、

 

姿勢を良くすれば演奏も良くなる。

 

そう考えやすくなります。

 

しかし、本当にそうなのでしょうか。


姿勢を意識するほど動けなくなることがある

演奏中、

 

「姿勢を崩さないようにしよう。」

 

そう意識した瞬間に、身体が少し固くなった経験はありませんか。

 

胸を張る。

肩を下げる。

背筋を伸ばす。

 

一つひとつは正しいように思えます。

 

でも、それを”保とう”とすると、身体は止まり始めます。

 

本来、演奏中の身体は絶えず動いています。

 

呼吸に合わせて胸郭は広がり、腕は滑らかに動き、重心はわずかに移り変わっています。

 

演奏は、静止している時間よりも、動いている時間の方が圧倒的に長いのです。

 

それなのに、姿勢だけを保とうとすると、その自然な動きが失われてしまいます。


演奏は「形」を作ることではない

演奏を見ていると、美しい姿勢が目に入ります。

でも、それは最初から形を作っているわけではありません。

 

演奏しやすい身体で自然に動いた結果として、美しい姿勢に見えているのです。

 

つまり、

 

姿勢は原因ではなく結果です。

 

この順番が逆になると、身体はどこかで無理を始めます。

 

形を守ろうとする。

動きを止める。

必要以上に力が入る。

 

その積み重ねが、演奏中の動きを小さくしてしまいます。


身体は止まるためではなく、動くためにある

私たちは普段の生活でも、立ち続けているだけではありません。

 

歩く。

振り向く。

座る。

立ち上がる。

手を伸ばす。

 

身体は常に動き続けています。

 

演奏も同じです。

 

音楽に合わせて身体は自然に揺れ、呼吸が変わり、重心が移り、

腕や指先まで連動しています。

 

演奏だけが特別な動きなのではありません。

 

演奏もまた、「生活動作の延長」にある一つの動作なのです。

 

だから、演奏しやすい身体とは、姿勢を固定できる身体ではなく、

自然に動き続けられる身体なのです。


動きが変わると、演奏は自然に変わり始まる

身体は、とても正直です。

 

普段どのように動いているかは、演奏中にもそのまま表れます。

 

例えば、歩くときに身体が左右へ大きく揺れる人は、演奏中も無意識に同じようなバランスの取り方をしています。

 

立ち上がるときに腕へ頼る人は、演奏中も腕だけで頑張ろうとしやすくなります。

 

つまり、演奏だけを特別に変えようとしても難しいのです。

 

身体は、毎日繰り返している動きを一番自然な動きとして覚えています。

 

だからこそ、演奏を変えたいのであれば、演奏中だけではなく、身体そのものの動きを育てることが大切になります。


動作は「意識」で作るものではない

「もっとこう動こう。」

「ここを意識しよう。」

 

そう考えることは悪いことではありません。

 

でも、演奏中に考えることが増えれば増えるほど、身体は本来の自然な動きから離れてしまいます。

 

本当に身についた動作は、意識しなくても自然に出てきます。

 

歩くとき、一歩一歩を考えながら歩いている人はいません。

階段を上るたびに、足の運び方を考える人もいません。

 

身体が覚えているからです。

 

演奏も同じです。

 

「正しい姿勢」を考え続けるよりも、自然に動ける身体を育てることの方が、長い目で見ると演奏の土台になります。


動作が変わると、身体は無理をしなくなる

動作が整うと、身体の一部分だけが頑張る場面が減っていきます。

 

腕だけに頼らない。

肩だけで支えない。

首だけで耐えない。

 

身体全体が役割を分け合うようになるため、一か所への負担が少なくなります。

 

その結果として、

 

長時間の練習でも疲れにくくなったり、

演奏後の身体の負担が軽くなったりすることがあります。

 

これは「頑張らなくなる」のではありません。

 

身体全体で動けるようになるという変化です。


ラナンキュラスボディが目指しているもの

ラナンキュラスボディでは、「良い姿勢を作ること」を目標にはしていません。

 

目指しているのは、

 

自然に動ける身体を育てることです。

 

動きが変われば、姿勢は結果として変わります。

 

そして、その身体は演奏の時間だけではなく、

 

歩くこと、

座ること、

立つこと、

 

毎日の生活すべてを支えてくれます。

 

演奏のためだけではなく、その人自身の身体を育てていく。

 

それが、私たちが考える身体教育です。


演奏を変えたいなら「姿勢」より「動作」に目を向けてみる

演奏を変えたいと思ったとき、多くの人は姿勢を直そうとします。

でも、本当に変えるべきものは、姿勢そのものではありません。

 

身体がどう動いているか。

どのようにつながっているか。

 

その動きが変われば、姿勢も、演奏も、少しずつ自然に変わっていきます。

 

だから私は、演奏者に必要なのは「姿勢を作ること」ではなく、

動きを育てることだと考えています。

 

演奏は、止まった身体ではなく、動き続ける身体の中から生まれるものなのです。


演奏は姿勢ではなく、動きの積み重ねで変わっていきます。では、その動きを妨げているものは何なのでしょうか。

 

次回は「演奏中に力んでしまう理由」についてお伝えします。


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演奏は、姿勢を意識することよりも、身体全体の動きが大切です。

 

身体と演奏の関係をさらに知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

 

なぜ身体が変わると音色も変わるのか

音色は指先だけではなく、身体全体のつながりから生まれます。

 

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演奏・スポーツと身体の質

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実際の変化事例

 

ラナンキュラスボディでは、姿勢だけを整えるのではなく、身体全体の動きを育てることで、演奏しやすい身体づくりをサポートしています。

 

動作が変わることで、演奏時の負担が軽くなり、身体の使いやすさや表現にも変化が現れた事例をご紹介しています。

 

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ラナンキュラスボディは、「正しい姿勢を作る場所」ではありません。

 

歩行・生活動作・身体全体の連動を見直しながら、一人ひとりが本来持っている自然な動きを育てる身体教育を行っています。

 

演奏者をはじめ、スポーツを楽しむ方や、日常を快適に過ごしたい方まで、身体の土台づくりをサポートしています。

 

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